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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生71巻6号

2007年06月発行

文献概要

連載 エイズ対策を評価する・18

外国人のHIV/AIDS(下)

著者: 沢田貴志1 岩室紳也2 岩木エリーザ3 稲垣智一4 内野ナンティヤー5 上野泰弘4

所属機関: 1港町診療所 2(社)地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター 3特活CRIATIVOS-HIV/STD関連支援センター 4東京都福祉保健局健康安全室感染症対策課 5TAWAN(日本に住むタイ人へ健康面の支援を行うグループ)

ページ範囲:P.504 - P.509

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メッセージが伝わらない理由

沢田 ブラジル人の場合,言葉の問題だけではなくて,労働環境の問題も大きいとエリーザさんがよく指摘されていますね.人材派遣で今日はこちらの仕事,明日はあちらの仕事という感じでどんどん動かされて,コミュニティやブラジルの情報から切り離されてしまう.こうした環境のため,そもそも医療にアクセスが悪いし,日本でのエイズ啓発が文化の違いで入りにくい.ブラジル人にはダイレクトに言わないとわからないので,日本のエイズのキャンペーンを見ていて「日本ではエイズはないんだ」と思ってしまう.

岩室 具体的にどのあたりが?

エリーザ 日本のエイズストップのポスターを見ても何も感じないのです.ブラジル人は漫画チックなのはまずダメです.例えばコンドームに目や鼻がついていたりはダメで,ダイレクトにコンドームそのものを見せるとか,ラブシーンの中でコンドームを入れるとかしないと,情報として取り入れられない.カップル,ゲイのカップルでもいいのですが,本当のラブシーンの中でコンドームの本物を見せたりすれば,ブラジル人は「ああ」と受け入れますので,その辺が違っていますね.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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