文献詳細
特集 狂犬病・デング熱・マラリア・コクシジオイデス症―海外で罹る危険性のある感染症
海外で罹る危険性のある感染症update
文献概要
マラリアは原因となっている原虫の種類によって熱帯熱,三日熱,卵形,四日熱の4種類に分かれるが,なかでも熱帯熱マラリアは,治療が遅れれば重症化して致死的となり得る救急疾患である.熱帯・亜熱帯地域へ渡航後に発熱した患者を診たとき,考えなければならない代表的な感染症――マラリア,腸チフス,デング熱,A型肝炎など――の中でも,診断・治療に最も急を要するのが熱帯熱マラリアである.治療開始の遅れから不幸にも死の転帰をたどっている熱帯熱マラリア症例は国内で散発的に見られており1),私たちは,マラリア流行地に渡航する人たちには,「38~39℃に達する熱を出したときにはダッシュで病院にかかってください」と指導している.
参考文献
1) 遠藤宗臣・他:希少疾病治療薬を用いた日本におけるマラリア治療の現状.第81回日本感染症学会総会,2007
2) World Health Organization:International Travel and Health, chapter 7 Malaria. WHO, 2007(http://www.who.int/ith/en/)
3) マラリア予防専門家会議:日本の旅行者のためのマラリア予防ガイドライン,2005(http://jsp.tm.nagasaki-u.ac.jp/modules/tinyd3/index.php?id=2)
4) Kano S, et al:Trends in malaria cases in Japan. Acta Tropica 89:271-278, 2004
5) 国立感染症研究所感染症情報センター:感染症発生動向調査(http://idsc.nih.go.jp/idwr/index.html)年別一覧表より
6) Miura T, et al:Clinical Characteristics of imported malaria in Japan;Analysis at a referral hospital. Am J Trop Med Hyg 73:599-603, 2005
7) Lalloo DG, et al:UK malaria treatment guidelines. J Infect 54:111-121, 2007
8) Matsumura T, et al:Questionnaire-based analysis of mefloquine chemoprophylaxis for malaria in a Japanese population. J Infect Chemother 11:196-198, 2005
掲載誌情報