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連載 衛生行政キーワード・33
「今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等に関する検討会」中間報告書について
著者: 大坪真実1
所属機関: 1厚生労働省医政局歯科保健課
ページ範囲:P.620 - P.621
文献購入ページに移動平成17年歯科疾患実態調査の結果を見ると,1人平均現在歯数が増加し,8020達成者(80歳で20本以上,自分の歯を持つ者,表)の割合が調査開始以来,初めて20%を超えた.健康日本21の中間評価報告においても,「歯の健康」分野の目標値のうち,多くの項目で改善,または目標の達成が認められ,わが国の歯科保健の状況が着実に向上していることがわかる.
これは,国民の歯科保健に対する意識の高まりや歯科医療関係者による歯科疾患の予防,歯の保存治療への取り組み等による成果だと考えられるが,予測を上回る改善に伴い,患者の求める医療水準はますます向上し,ニーズも多様化している.日々進歩する医療技術への対応,患者中心の医療の提供等,国民の要求に対応できる歯科医療関係者の質の向上等が課題となり,歯科保健医療は,従来とは異なる方向性を示す必要が出てきた.
このような現状に鑑み,厚生労働省は,平成17年12月に「今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等に関する検討会」(座長=斎藤 毅・日本大学名誉教授)を立ち上げた.この検討会では,今後の歯科保健医療の在り方を検討するとともに,併せて歯科医師の資質向上の方策,生涯研修の在り方,新たな歯科医療需要を踏まえた歯科医師数の将来予測等について等幅広い検討を重ね,平成18年12月に中間報告書を取りまとめた.本稿では,この報告書の中身について簡単にご紹介したい.
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