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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生71巻7号

2007年07月発行

文献概要

資料

山形県における自殺死亡の地域較差と人口動態的および社会経済的要因との関連性についての研究

著者: 大類真嗣12 深尾彰2

所属機関: 1山形県健康福祉部健康福祉企画課 2山形大学大学院医学系研究科生命環境医科学専攻社会環境予防医学部門公衆衛生学講座

ページ範囲:P.623 - P.627

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背景および目的

 わが国における自殺死亡者は,1998年に31,755人1)と急激に増加し(前年23,494人),それ以降も30,000人前後で推移している.また山形県でも同様に,1998年に359人2)と増加し(前年279人),2002年および2003年には370人に達している.自殺は国および地方公共団体が取り組まなければならない健康課題の1つであり,自殺対策を進める上で,自殺の地域較差やそれを生じさせている要因の検討が必要とされる.

 自殺に地域較差が認められることは諸所の報告によってなされており,先行研究において市町村および二次保健医療圏別の検討にて自殺の地域較差が確認されている3,4).また,自殺の原因には社会的要因,経済的要因,気象的要因など様々な要因が関連しているとされており,先行研究では,自殺は農村部に多く,また医師数が少なく,高齢者世帯割合が高い地域に多いといった報告3)や,失業率,第3次産業就業者割合,人口あたり医師数などの要因と関連がある,という報告4)がされている.しかし,山形県における自殺の地域較差および関連要因との詳細な検討の報告はなされていない状況である.

 今回,山形県の市町村別の自殺死亡の地域較差を明らかにするとともに,自殺死亡と人口動態的および社会経済的要因との関連性を検討した.

参考文献

1) 厚生労働省大臣官房統計情報部:第5回自殺死亡統計 人口動態統計特殊報告.厚生統計協会,2005
2) 山形県健康福祉部:保健福祉統計年報(人口動態編).1998-2003
3) 本橋豊・他:秋田県の自殺死亡の地域差と社会生活要因に関する研究.厚生の指標46:10-15,1999
4) 野原勝・他:自殺の地域集積性とその要因に関する研究.厚生の指標50:17-23,2003
5) 厚生統計協会(編):国民衛生の動向.厚生の指標,2001
6) 総務省統計局:平成12年国勢調査報告.日本統計協会,2001
7) 久道茂・他:日本における癌死亡の地理的分布~市町村別の標準化死亡比:1980-1994.東北放射線科学センター,2003
8) 山形県総務部総合政策室(編):平成10-15年山形県統計年鑑.山形県統計協会,1998-2003
9) 厚生労働省大臣官房統計情報部:平成12年医師・歯科医師・薬剤師調査.厚生統計協会,2002
10) 朝日新聞社(編):2001年民力.朝日新聞社,2001
11) Otsu A, et al:Effect or urbanization, economic development, and migration of workers on suicide mortality in Japan. Social Science & Medicine 58:1137-1146, 2004
12) 山形県総務部市町村課:平成12年度山形県内市町村財政の状況,2002
13) 過疎地域自立促進研究会:逐条解説 過疎地域自立促進特別措置法 新過疎法の制度と運用.ぎょうせい,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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