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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生71巻9号

2007年09月発行

文献概要

特集 性差医療から考える―患者の望む医療とは?

わが国における女性外来ブームに見る患者の望む医療とは?

著者: 対馬ルリ子1

所属機関: 1ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック

ページ範囲:P.743 - P.748

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 1980年代の米国のウィメンズヘルス,1990年代の性差医学研究,リプロダクティブヘルス/ライツ宣言などのグローバルな流れを受けて1~3),21世紀になりわが国の女性医療にもようやく新しい波が訪れた.それが,女性にとって敷居の低い医療の窓口,女性外来である.特に,2001年頃から行政主導で公立病院,大学病院などに次々に女性外来が開設され,にわかに活況を呈したが,最近では,当初の混乱も過ぎ去り,それぞれに地域の実情や施設に合わせた形で定着してきているようである.

 今後は,わが国の女性医療全般をどうすべきかを,産科医療や小児医療,保育・介護・終末医療をも含めて再考せねばならない時期に来ていると思われるが,女性医療の質の向上にとって最も大切なのは,女性の,患者として当事者としての視点が,医療にどのように反映されていくかであろう.当事者発の女性外来を運営している立場から,これまでのわが国の女性医療の歴史を振り返りつつ考えてみたい.

参考文献

1) Wallis, et al:Textbook of Women's Health. Lippincott-Raven, 1998
2) Wysocki Susan, et al:Clinical Challenge in Women's Health―A Handbook for Nurse Practitioners. NANPRH, 1999
3) Legato Marianne J:Eve's Rib. Three Rivers Press, NY, 2002
4) 財団法人 母子衛生研究会:母子保健の主なる統計.母子保健事業団,2006
5) 性と健康を考える女性専門家の会HPhttp://square.umin.ac.jp/pwcsh/
6) エレン・チェスラー(著),早川敦子(監訳),性と健康を考える女性専門家の会(監修),マーガレット・サンガー:嵐を駆け抜けた女性.日本評論社,2003
7) Leon Speroff, et al:我妻 尭(監訳),早乙女智子(編訳):避妊の医療と相談援助・性教育のために―避妊ガイドブック(A Clinical Guide for Contraception).文光堂,1999
8) 松本清一・他(監修):セクシャル・ヘルスの推進 行動のための提言.財団法人日本性教育協会,2003
9) 我妻 尭:リプロダクティブヘルス.南江堂,2002
10) 厚生労働省雇用均等・児童家庭局(編):女性労働白書―働く女性の実情.財団法人 21世紀職業財団,2005
11) 対馬ルリ子:女性のトータルケア,女性のヘルスエデュケーション 新女性医学体系11リプロダクティブヘルス.pp7-21,中山書店,2001
12) 「女性の雇用と健康政策」研究会:日本医療政策機構,政策提言シリーズvol2.日本医療政策機構,2005
13) 性と健康を考える女性専門家の会:「ピルと女性の健康」検討資料.性と健康を考える女性専門家の会,1998
14) 対馬ルリ子:女性外来が変える日本の医療.築地書館,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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