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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生71巻9号

2007年09月発行

文献概要

特集 性差医療から考える―患者の望む医療とは?

性差医療における医療従事者教育の課題

著者: 松田昌子1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科保健学系学域

ページ範囲:P.749 - P.753

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 人は遺伝子を介して受け継いだ性質や育った環境によってそれぞれ異なる性質を持つ.今日の医療では,そのような一人ひとりの性質に合わせて行う個別医療が,より的確な予防や診断・治療を可能にするということで推奨されている.しかし,男女の違いである性差は個人差を考える上で,第一段階のものであるにもかかわらず,生殖器以外の臓器に関する性差に対して注意が払われることは少なかった.

 形態的にも機能的にも,そしてそれが異常をきたした疾患においても明らかに性差がある.その違いを明らかにし,それに基づいて行う医療が性差医療である.すなわち,性差を考慮することはより良い医療を行うための大切な要素であり,医療従事者の教育の中に性差を考慮する視点を加えることは,年齢を考慮することと同様に必要不可欠なことと考えられる.

 わが国でも性差医学・医療への認識は徐々に高まり,専門学会でも性差をテーマにした演題も散見されるようになった.しかし,それらの知見が医療現場へフィードバックされるほど医療従事者には普及していない.本稿では,性差医療を普及させるための方策についてこれまでの経緯,医療従事者の教育,女性医師の役割を中心に述べていきたい.

参考文献

1) McMurray JE, et al:Women in medicine;A four-nation comparison. JAMWA 57(4):185-190, 2002
2) Roter DL, et al:Physician gender effects in medical communication. JAMA 288(6):756-764, 2002
3) UCLA National Center of Excellence in Women's Health:Final Evaluation Report for the period Octobeer 1, 2003-Septmber 30, 2004
4) Carnes M, et al:Using women's health research to develop women leaders in academic health sciences;The National Centers of Excellence in Women's Health. J Womens Health Gend Based Med 10(1):39-47, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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