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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生71巻9号

2007年09月発行

文献概要

連載 レセプト情報を活かす・6

国保ヘルスアップ事業とレセプト情報・2―甲州市からの経過報告

著者: 岡本悦司1

所属機関: 1国立保健医療科学院経営科学部経営管理室

ページ範囲:P.778 - P.783

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国保ヘルスアップ事業とレセプト活用

 国保ヘルスアップ事業は2002年度より33市町村でモデル事業として開始され,専門家からなる評価者を置いて医学的ならびに経済的な評価が行われた.3年間の事業期間を終了した市町村からはその成果が学術雑誌等に公表されるようになってきた(北海道上富良野町1),石川県小松市2),茨城県筑西市3),神奈川県藤沢市4),福岡県宇美町5)).そうして得られたエビデンスは個別健康支援プログラム実施マニュアル(2006年3月Ver.2)や,2008年度からの標準的健康診査プログラム(2007年3月確定版)の作成に役立てられた.

 本モデル事業の特色は,全国33市町村にわたってほぼ一斉に,介入群だけでなく対照群も置き専門の評価者も置いて評価を行う,という国際的にも例の少ない大規模プロジェクトであったことに加え,対象者を原則として国保被保険者に限ることにより,レセプトとの突合を可能し,医学的効果だけでなく医療費への効果も評価する,という点にあった.

参考文献

1) 岡崎智子:地域実態の把握に基づいた生活習慣病対策――上富良野町の国保ヘルスアップ事業モデル事業の実践から.北海道の公衆衛生33:33-38,2007
2) 三浦克之・他:血圧低下のための個別健康支援プログラムの効果に関する無作為化比較試験―石川県小松市における国保ヘルスアップ事業モデル事業.日本公衛誌53(8):533-541,2006
3) 野田博之・他:地域における過体重・肥満者を対象とした運動施設利用,栄養指導による個別健康教育と介入効果の検討―筑西町(旧協和町)国保ヘルスアップモデル事業.日本公衛誌53(10):749-761,2006
4) 鈴木清美・他:藤沢市における個別健康支援プログラムの有効性の検討.厚生の指標53(11):12-18,2006
5) 石原礼子・他:生活習慣病予防事業におけるメンタルヘルスの変化と生活習慣改善及び身体的健康度改善との関連.日本衛生学雑誌60:442-449,2005
6) 岡山明・他:個別健康支援プログラムの医療経済評価に関する研究――岩手県矢巾町における検討.日本医事新報4248:22-28,2005
7) 小川裕・他:医療費からみた国保ヘルスアップモデル事業の評価――福島県二本松市における個別健康支援プログラムの検討.厚生の指標54(3):13-20,2007
8) 亀千保子・他:生活習慣病予防事業による医療費への影響.厚生の指標54(4):29-35,2007
9) 厚労省:保健事業マニュアル原案を提示.週刊国保実務2398:11,2004
10) 岡本悦司:指標としての医療費分析の効用と留意点.保健師ジャーナル62(8):624-627,2006
11) 岡本悦司:レセプト傷病分析ソフトPDMを用いた医療費分析の実践例.保健師ジャーナル62(8):634-639,2006
12) Okamoto E:Reduction of Influenza-related Outpatient visits among Community-dwelling Elderly. Jpn J of Pharmacoepidemiology 8:55-60, 2003
13) 週刊国保実務2555:11,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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