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特集 揺らぐ食品への信頼
文献概要
食品表示関係の主要な法律としては,表1のようなものがある.わが国において,消費者問題が自覚的に意識されだしたのが高度成長期の1960年代であり,その中でも欺瞞的表示を禁止し,適正な表示を求める運動が先駆けとなった.そもそも,1962年に制定された景品表示法のきっかけとなったのは,1960年に発覚した鯨肉の大和煮の缶詰に牛の絵のラベルを付けて牛肉に見せかけていた「にせ牛缶事件」という食品偽装表示事件であった.JAS法に表示規定が取り入れられたのは,1970年であって比較的遅い.
以下では,食品の偽装表示を防止するために,コンプライアンスの観点から,どのような方策をとるべきかを検討する.
以下では,食品の偽装表示を防止するために,コンプライアンスの観点から,どのような方策をとるべきかを検討する.
参考文献
1) 國廣正・他:なぜ企業不祥事は,なくならないのか.日本経済新聞社,2005
2) 大塚和成・他:企業コンプライアンス態勢のすべて.金融財政事情研究会,2007
3) 鍋嶋詢三・他:消費者コンプライアンスの実務ハンドブック.日科技連出版社,2008
1) 松本恒雄(編):消費者からみたコンプライアンス経営.商事法務,2007,p165以下に収録.
2) 同書p185以下に収録.
3) 麗澤大学経済研究センター「企業倫理研究プロジェクト」:倫理法令遵守マネジメント・システム―ECS2000 v 1.2の導入と活用法.麗澤大学出版会,2000
4) 詳しくは,国民生活センター:食品関連事業者の消費者対応に関する調査研究,2006参照
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