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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生72巻10号

2008年10月発行

文献概要

特集 揺らぐ食品への信頼

わが国の食品安全行政の現状と課題

著者: 藤田由紀子1

所属機関: 1専修大学法学部

ページ範囲:P.787 - P.790

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日本の食品安全行政―「リスク分析」手法の導入

 現行の食品安全行政の仕組みは,大幅な関係行政機構の再編によって,2003年7月1日に構築された.この再編の直接の契機となったのは,2001年9月に発生した国内BSE(牛海綿状脳症)感染牛の問題において,事態に適切に対応できない行政への批判や不信が高まったことである.

 新しい食品安全行政の構築を目指して,2003年7月1日に施行された食品安全基本法は,国民の健康保護の最優先を原則とし,同法に基づいて内閣府に設置された「食品安全委員会」が新しい食品安全行政の中核に位置づけられた.また,農林水産省では,食糧庁が廃止され,消費者行政や食品のリスク管理を担う「消費・安全局」が新設され,同時に再編された地方農政事務所にも,消費・安全部が置かれた.他方,厚生労働省では,従来の医薬局が「医薬食品局」に,食品保健部が「食品安全部」にそれぞれ改称され,食品安全部内の再編や,リスクコミュニケーションを担う大臣官房参事官(医薬担当)の新設,食品衛生監視員の増員等が行われた.

参考文献

1) Codex Alimentarius Commission:17th Procedural Manual. pp44-45, 2007
2) 一色賢司:食品安全委員会の活動状況―現状と課題.月刊フードケミカル20(7):28-32,2004
3) 藤田由紀子:第9章 行政組織における専門性の獲得方法―食品安全委員会を素材として.同:公務員制度と専門性―技術系行政官の日英比較.専修大学出版局,2008
4) 城山英明:リスク評価の分離と内閣におけるその実施―食品安全委員会の設計と運用.総務省大臣官房企画課(編),公的領域の多元化と行政に関する調査研究報告書,2004
5) 農林水産省資料(BSE問題に関する調査検討委員会配布資料):主要国の畜産・食品行政における役割分担,2002
6) 石原孝二:リスク分析と社会.思想963:82-101,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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