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文献概要
連載 研修医とともに学ぶ・8
結核・感染症対策から学ぶ医の倫理と人権
著者: 嶋村清志1
所属機関: 1滋賀県甲賀保健所
ページ範囲:P.915 - P.915
文献購入ページに移動特に③については,結核患者の発生届の受理から感染症(結核)診査会での諮問ならびに結核公費負担事務と結核患者管理に至る一連の流れを学ぶことになります.甲賀保健所では原則,研修医自らが感染症(結核)診査会で,研修期間中(1か月間)の全症例について実際に諮問してもらっています(写真1).業務として諮問する以上,責任のあるプレゼンテーション(以下,プレゼン)が求められます.だからこそ,感染症(結核)診査会に臨む前までには,必ず事前に保健所長である私と結核の担当者を交え,実際のX線フィルムを前にして,「プレ」プレゼンを行っています(写真2).その「プレ」プレゼンの場では,感染症予防法37条(入院)および第37条の2(外来)の適応の違いや,抗結核薬における標準治療法について学べる機会としています.さらに胸部X線写真の読影や結核病学会の学会分類についても症例から学べるよう工夫をしています.そして関係法規や社会医学的な視点でディスカッションをしながら,学習できる機会としています.
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