icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生72巻12号

2008年12月発行

文献概要

連載 パートナーシップ時代の国際保健協力―これから国際保健協力を志す若者への10章・3

顧みられない熱帯病―もうひとつのグローバルな課題

著者: 一盛和世1 鷲見学2 武井貞治3 中谷比呂樹4

所属機関: 1WHO本部事務局感染症局 2WHO本部事務局総務局 3国連合同エイズ計画モニタリング 4WHO本部事務局事務局

ページ範囲:P.977 - P.980

文献購入ページに移動
 今年の夏,日本でG8北海道洞爺湖サミットが開催されたことは前章(第2章)で紹介した.この中で,日本がかつて提唱した寄生虫対策が,顧みられない熱帯病(NTD:Neglected Tropical Disease)という名称のもと,改めて国際社会の認知と支援への合意が形成されたのである.すなわち,首脳宣言では『HIV/エイズ,結核,マラリア及びポリオに関するコミットメント履行を再確認する.(中略)「顧みられない熱帯病」(NTD)の統制または制圧の支援に合意』とされ,付帯文書であるG8保健専門家報告書「洞爺湖行動指針」では,『顧みられない熱帯病について,アフリカ,アジア,ラテンアメリカの主要感染国において,感染者の少なくとも75%に対して支援を届けることができるよう,支援に取り組む』との努力目標についての合意がなされたのである.この過程を振り返って,疾病として「小兵」のNTDがどうして国際保健の大きな課題として取り上げられるようになったのか考えることを通して,国際保健のアジェンダ作りのダイナミックスを本章では紹介してみたい.

参考文献

1) 江浪武志・他:大きな疾病負荷をもたらす感染症対策の地球規模での現状と日本への期待.日本医事新報4363:69-74,2007年12月8日
2) http://www.who.int/neglected_diseases/en/(WHO NTD部門のHP.2008年9月10日稼働確認済み)
3) http://www.g8summit.go.jp/doc/doc080714_ka.html(G8北海道洞爺湖サミット首脳宣言.外務省G8北海道洞爺湖サミット公式HP.2008年9月16日稼動確認済み)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら