連載 PHNに会いたい・15
―埼玉県寄居町立男衾中学校―学校保健と公衆衛生教育
著者:
荘田智彦
丸山よし子1
藤本敦子2
阿部大輔3
小泉優理4
永嶋かほる5
所属機関:
1男衾中学校
2男衾小学校
3寄居町役場
4熊谷保健所
5寄居小学校
ページ範囲:P.992 - P.999
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国民の生命や健康は3つの分野,「地域保健」「産業保健」「学校保健」の連携で守られていると言われています.本連載では地域で働く行政保健師の活動報告が多いのですが,すでに産業保健のレポートは72巻3号(本年3月号)の本連載⑦「企業のCSR(社会的責任)とPHNの役割」で取り上げました.そこで,同じように「学校保健」を担う養護教諭として働くPHNの活動も取り上げたいと考えていました.学校保健というのは,誰もが通過したところです.学校保健の役割はまず,学校内の衛生管理や児童・生徒,また教職員の身体だけでなくメンタル面の健康管理等をすることだと思いますが,教育面で「保健科」の授業,教科書では「健康」をどう教えてくれているのか,公衆衛生についてどうかも知りたいところです.もうひとつ大事なことは,地域保健との連携という問題だろうと思います.市町村や保健所との連携はどうなっているのでしょう.そしてこれからの学校保健,また養護教諭がどうなっていけばいいのか,ご一緒に考えていきたいというのが今回の目的です.
幸いこの企画にふさわしい案内人に埼玉県寄居町立男衾中学校の養護教諭,丸山よし子先生(52)(写真1)のご協力が得られることになりました.保健所保健師の経験を持ち,保健教育の実践,地域保健との連携では指折りの方と聞いています.轟和男校長も「学校保健」には理解があつく,筆者の学校訪問の願いも快く受けていただけました.丸山先生(以後敬称略)とは,6月に初めてお会いしたのですが,企画意図を分かっていただき,取材のための学校訪問,寄居町訪問取材は,今年7月1日,8月25日,11月14日の3回でした.