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特集 アレルギー対策―花粉症・食物アレルギー・アトピー等への対応 食物アレルギーの研究と対策の最前線
2.食物アレルギー表示に関する課題と展望
著者: 丸井英二1
所属機関: 1順天堂大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.212 - P.215
文献購入ページに移動食物アレルギーそのものについてはすでに紹介されているので,本稿では,食物アレルギー表示の社会的な意義や今後の課題について考えていきたい.しかし何をどのように表示するか,どの範囲で表示するかというような,食物アレルギー表示の技術的な側面については特に論議しない.
まず食品表示そのものと食物アレルギーの表示について知っておきたい.われわれが目にする食品には「食べものにかかわる2つの表示」がある.1つは熱量,たんぱく質,脂質,炭水化物などを表示する「栄養成分表示」である.他方,「食品表示」はモノとしての食品の品質を明らかにして伝えることを目的とする.このように,市場から摂食までの選択のための食品表示と,食べたあとで体内でどのような機能を果たすかの栄養成分表示という,2つの側面で行われる表示は重要である.その他には,価格なども重要な情報としての表示の一種である.表示そのものはあらゆる食品について行われるが,特に加工食品においては生鮮食品以上に,表示は大きく複雑な問題をはらんでいる.
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