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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生72巻3号

2008年03月発行

文献概要

連載 レセプト情報を活かす・12【最終回】

レセプトナショナルデータベースと研究利用の可能性

著者: 岡本悦司1

所属機関: 1国立保健医療科学院

ページ範囲:P.230 - P.235

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 「医療サービスの質向上等のためのレセプト情報等の活用に関する検討会(座長/開原成允国際医療福祉大学大学院長,以下,検討会)」が終結し,レセプトナショナルデータベース(以下,RNDB)構想が動き出した.本稿では連載の締めくくりとして,RNDBと公衆衛生研究利用への可能性について述べる.

 2007年3月27日に公表された情報化グランドデザインは「2008年度末までに全国規模でのレセプトデータの収集分析のための体制を構築し,2009年度からレセプトデータの収集分析を段階的に実施し,2011年度から厚生労働省において全国規模でのレセプトデータを収集し,分析・公表を実施」とある.検討会は,このRNDBにおける①レセプト情報の収集方法,②分析の方法・用途,そして③国以外によるレセプト情報活用のあり方,を検討する目的で,厚生労働省保険局長の主催で設置された.重要なポイントは③であり,国が構築するデータベースを自治体や研究者が公益や研究目的に活用することを認める,その範囲やルールを検討しよう,という点.RNDBの研究利用が拡大すれば,公衆衛生や疫学研究に寄与でき,それがひいては医療の質向上につながることが期待される.

参考文献

1) 「平成23年度から全てのレセプトをオンライン化」週刊社会保障2371号,pp6-7(2006年2月27日)
2) http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/old/minutes/subject/2005/03/summary05_03_01.pdf
3) 2007年11月30日第3回検討会に提出された資料によると,2007年10月請求分の病院レセプトの電子化率は49.8%.2004年度までの達成目標は2年半遅れでようやく達成される見通し.
4) 医療情報ネットワーク協会「医療分野における情報化促進のための国内外の実態調査――レセプトオンライン化に関する韓国実態調査」2006年3月[http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/pdf/060425_2_1.pdf]
5) 木村真也:レセプトにおける匿名化名寄せ技術と傷病名辞書.公衆衛生71(11):939-942,2007
6) 日本薬剤疫学会:医薬品等の安全確保のためのレセプト情報活用に関する要望書.2007年12月17日厚生労働大臣あて提出.http://www.jspe.jp

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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