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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生72巻4号

2008年04月発行

文献概要

投稿 フォーラム

患者主体の医療支援体制への提案

著者: 細貝孝子1

所属機関: 1前高崎医療技術福祉専門学校

ページ範囲:P.328 - P.332

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 わが国においても,従来のパターナリスティックな医師-患者関係を改め,医師と患者は水平な関係に立ち,情報を共有しながら共に治療法を決定するなど,患者参加型の医療への転換が求められている.納得できる医療を受けるためには,医療提供者だけでなく,患者も受療意識を見直す時期に来ている.患者満足度調査において,病院や医師が実施した調査はこれまでにも多数報告されているが,これらは受診している病院や医師の依頼による調査ということから,どの調査も満足度が高くなる傾向が見られる1).しかし,患者の本音が聞けるということから,最近,患者会の報告が注目されている2)

 筆者らは,患者の受療意識を明らかにすることを目的に,患者会およびボランティアグループ等の協力を得て,「納得できる医療を受けるための外来受診に関する意識調査」(以下,「われわれの調査」と呼ぶ.その概要については本稿末尾の「参考資料」を参照)を実施した.この調査結果および関連する先行研究等を参考にしながら,患者主体の医療支援体制のあり方に関する私見を述べたい.

参考文献

1) 前田泉,徳田茂二:全国規模の開業医の外来患者満足度調査「患者満足度」コミュニケーションと受療行動とダイナミズム.pp105-109,日本評論社,2003
2) 和田ちひろ:患者の声を医療に繁栄させるために.週刊医学界新聞2612号,2004年12月6日
,pp8-9
4) 山内隆久:患者と医師の意識調査―すれ違う医療現場.上毛新聞,2005年10月18日
,pp65-68
6) 李啓充:アメリカ医療の光と影―医療過誤防止からマネジドケアまで.医学書院,2001
7) 千葉敦子:ニューヨークでがんと生きる.p144,文春文庫,1989
8) 丸木一成:患者が望む「地域保健・医療」研修.公衆衛生67(10):760-763,2003
9) A・リンドクウィスト,J・ウェステル(川上邦夫訳):あなた自身の社会.新評論社,1999
10) 数間惠子:外来看護の発展の経緯と今後の課題.看護学雑誌68:954-958,2004
11) 中村秀敏:マイカルテ作成の取り組み.第26回日本POS医療学会大会抄録集,p67,2004
12) 山本ゆかり:患者情報室だより.ささえあい医療人権センターCOML会報誌,No. 194,2006
13) 多田羅浩三:健康科学“人々の健康を支える基盤”.放送大学教育振興会,pp61-63,2005
14) J.A.ミュア・グレイ(斉尾武郎監訳):患者は何でも知っている.p153,中山書店,2004
15) 辻本好子:ささえあい医療人権センターCOML会報誌,No. 203,p1,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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