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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生72巻5号

2008年05月発行

文献概要

特集 うつの時代―うつ病を改めて理解する

青年期のうつ病

著者: 坂元薫1

所属機関: 1東京女子医科大学医学部精神医学講座

ページ範囲:P.359 - P.363

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 児童・思春期のうつ病や更年期のうつ病,老年期のうつ病がとり上げられることが多いのに比べて,青年期のうつ病は,意外にも正面から扱われることが多いとは言えない領域である.

 20代の若者が何らかの抑うつ症状を主訴に受診した場合に,典型的なうつ病を想定する臨床家は少ないのではないか.たとえDSM-IV-TR1)のような国際的に繁用される操作的診断基準で「大うつ病エピソード」という診断がつくとしても,どこか「本当のうつ病」との微妙なニュアンスの差異を感じとる臨床家が少なくないのが現実であろう.

参考文献

1) American Psychiatric Association(2000):Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorder, 4th Edition. Text Revison. (American Psychiatric Association, Washington DC, 2000[高橋三郎,大野裕,染谷俊幸(訳):DSM-IV-TR精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2002]
2) 坂元薫:うつ病の診断はなぜ難しいのか.こころの臨床アラカルト26:85-91,2007
3) 広瀬徹也:「逃避型抑うつ」再考[広瀬徹也,内海健(編):うつ病論の現在―精緻な臨床を目指して.pp49-68,星和書店,2005]
4) Akiskal HS, et al:Bipolar II and anxious reactive "comorbidity":toward better phenotypic characterization suitable for genotyping. J Affect Disord 96(3):239-247, 2006
5) 樽味伸・他:うつ病の社会文化的試論―とくに「ディスチミア親和型うつ病」について.日本社会精神医学会雑誌13:129-136,2005
6) 樽味伸・他:現代社会が生む“ディスチミア親和型”.臨床精神医学34(5):687-694,2005
7) Akiskal HS:Soft bipolarity-A footnote to Kraepelin 100 years later. 臨床精神病理21:3-11,2000
8) 市橋秀夫:1970年から2000年までに我が国でどのような価値観の変動があったか.精神科治療学15:1117-1125,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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