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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生72巻6号

2008年06月発行

文献概要

特集 若者を性感染症から守る

性感染症の発生動向と最近のトピックス

著者: 小野寺昭一1 多田有希2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学感染制御部 2国立感染症研究所感染症情報センター

ページ範囲:P.451 - P.455

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 わが国において発生動向調査が行われている性感染症には6疾患があるが,そのうち梅毒,HIV/エイズの2疾患は全数届出,性器クラミジア感染症,性器ヘルペス,尖圭コンジローマ,淋菌感染症の4疾患は定点調査により発生動向が調査されている.定点調査とは,都道府県が指定した医療機関を受診した患者数を,毎月最寄りの保健所へ届けているものであり,全数を調査しているものではない.したがってこの調査は,性感染症全体の動向を知ることを目的としている.なお,現在これらの性感染症は何れも感染症法の5類感染症として扱われている.

 本稿では,定点調査が行われている4つの性感染症と,梅毒を加えた5つの疾患の最近の動向について解説するとともに,若者における無症候の性器クラミジア感染者の実態について,われわれの調査を元に述べる.さらに,薬剤耐性淋菌と淋菌の咽頭感染について,その現状と対策について述べることとする.

参考文献

1) 岡部信彦,多田有希:感染症発生動向からみたわが国のSTDの動向.性感染症に関する特定感染症予防指針の推進に関する研究班(主任研究者:小野寺昭一),平成19年度総括研究報告書,pp29-43, 2008
2) 小野寺昭一:総括研究報告書.性感染症に関する特定感染症予防指針の推進に関する研究班(主任研究者:小野寺昭一),平成19年度総括研究報告書,pp3-24, 2008
3) 今井博久:わが国の若年者における無症候性クラミジア感染症の実体研究.性感染症の効果的な蔓延防止に関する研究班(主任研究者:小野寺昭一),平成15年度~平成17年度総合研究報告書,pp 26-30, 2006
4) 松本哲朗:淋菌性咽頭感染の実態と治療に関する研究.性感染症に関する特定感染症予防指針の推進に関する研究班(主任研究者:小野寺昭一),平成18年度総括研究報告書,pp 121-128, 2007
5) 性感染症診断・治療ガイドライン2006.淋菌感染症.日本性感染症学会誌17(1):35-39, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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