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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生72巻6号

2008年06月発行

文献概要

特集 若者を性感染症から守る

周産期における性感染症のリスクと対策

著者: 山田里佳1 塚原優己2

所属機関: 1石川県立中央病院いしかわ総合母子医療センター産婦人科 2国立成育センター周産期治療部産科

ページ範囲:P.461 - P.466

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 性感染症の中には,不妊や流早産の原因となったり母子感染するものがある.わが国では1942年より妊婦健康診査(妊婦健診)が行われており,現在では約99%の妊婦が妊婦健診を受けている.健診項目の中で,公費で行える性感染症スクリーニングは,梅毒とB型肝炎のみである.妊婦健診は平成9年より都道府県の事業から市町村の事業に変更されており,その中で一部の市町村ではHIV抗体検査を公費で施行しているが,いまだ少数にすぎない.今回,性感染症を中心として,妊婦初期検査における検査体制の現状および各性感染症における妊娠中のリスク,治療,母子感染,出生児の取り扱いなどについて提示する.

参考文献

1) 杉本充弘:妊婦スクリーニング検査実施状況.産科と婦人科69:183,2002
2) 平成19年度厚生労働科学研究費補助金(エイズ対策事業)「周産期・小児・生殖医療におけるHIV感染対策に関する集学的研究」班(主任研究者:仙台医療センター副院長 和田裕一)報告書,2008
3) 森内昌子・他:産科学・周産期医学に必要なウイルス学の知識―母子感染するウイルスの概要.周産期医学37:1493-1498,2007
4) 熊本悦明:クラミジアの陰にエイズあり―そのクラミジアは今や性生活の生活環境汚染.性と健康2:21-24,2001
5) Alger LS, et al:The association of Chlamydia trachomatis, Neisseria gonorrhoeae, and group B streptococci with preterm rupture of the membranes and pregnancy outcome. Am J Obstet Gynecol 159(2):397-404, 1988
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13) エイズ動向委員会:平成18年エイズ発生動向年報http://api-net.jfap.or.jp/htmls/frameset-03.html
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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