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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生72巻6号

2008年06月発行

文献概要

特集 若者を性感染症から守る

若年層を性感染症から守る健康教育

著者: 渡會睦子12

所属機関: 1東京医療保健大学 2PNY(ぴにぃ)(Peer Network Yamagata)

ページ範囲:P.473 - P.477

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 近年,日本では性行動の低年齢化とともに若年層における性感染症が増加している.一般的に感染症はマスコミの報道量が減少すると,その感染症が日本からなくなったかのように勘違いされることが多く,HIV感染症についても1986~7年頃のAIDSパニックをピークに,報道量が減少した結果,HIV感染症への意識も低下している.AIDSパニック以降に生まれた現代の青若年層は性感染症に関する意識も低く,知識も得ることなく性経験し,様々な性問題が身近な問題となっている.また,高校卒業までに40~50%が性経験すると言われ,未経験者が焦燥感に悩む場合も多い反面,精神的成熟が遅く,短絡的に物事を捉えやすい特徴もあり,現代の若年層には心理面に作用する道徳的倫理的教育や,判断力・決定力を養う性教育が求められている.

 「性」は,「生きる」に「心」と書く.筆者は,性教育を「生きるための心を学ぶ教育」と表現し,進めてきた.山形県保健所保健師だった筆者のAIDS対策における経験から,性教育教材の検討に至った理由を含め,下記に述べていきたい.

参考文献

1) 厚生労働省大臣官房統計情報部:保健・衛生行政業務報告;衛生行政報告例,p484,2005
2) 厚生労働省大臣官房統計情報部:平成8年~平成16年厚生統計協会,母体保護統計.厚生統計協会,2006
3) 山形県児童家庭課:人工妊娠中絶件数,2006
4) 渡會睦子:小・中・高等学校生における性の実態と教職に見る性教育の現況.日本性科学学会雑誌21:39-45,2003
5) 渡會睦子:性感染症予防における性(生きるための心の)教育の実践~地域連携による取り組みが大人と子どもたちをかえる.日本性感染症学会誌17(2):31,2006
6) 渡會睦子:効果的な性教育教材の開発と活用~生きるための心を学ぶ,性教育を目指して~家族と健康.日本家族計画協会,NO629:4-5,2006
7) 渡會睦子:小・中・高等学校生における性の実態と教職に見る性教育の現況.日本性科学会雑誌21(1):39-45,2003
8) 渡會睦子:性(生)教育プログラムと教材(小学生用教材).日本家族計画協会,2005
9) 渡會睦子:性(生)教育プログラムと教材(中学生用教材).日本家族計画協会,2005
10) 渡會睦子:性(生)教育プログラムと教材(高等学校生用教材).日本家族計画協会,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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