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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生72巻6号

2008年06月発行

文献概要

海外事情

ペッテンコーフェルの故郷リヒテンハイムを訪問して

著者: 華表宏有1

所属機関: 1産業医科大学

ページ範囲:P.510 - P.512

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 マックス・フォン・ペッテンコーフェル(1818-1901)の名前は,「衛生学公衆衛生学」の教科書の歴史の項目に登場することがあるので,記憶に留めておられる読者も多いことだろう.ミュンヘン大学医学部の医化学準教授,のちに教授として,当時大流行したコレラ対策に精力的に取り組んだ他,代謝測定装置を考案したりした.その実績が評価されて,1865年(47歳),世界で最初の衛生学講座が創設され,その教授に就任した.わが国から緒方正規(東京大学医学部衛生学講座の初代教授)の他,森林太郎(陸軍軍医)などが,彼のもとに留学している.森1)は帰国してから,『東京医事新誌』(明治22年)に,師の略歴を執筆している.

 筆者が,ペッテンコーフェルの生涯と業績を多少とも具体的に知ったのは,日本衛生学会での北博正の会長講演2)のときであった.初めてミュンヘンを訪れたのは1981年で,そのとき旧南墓地33区に眠っている彼の墓所に足を運び,ペッテンコーフェル通り9a番地にある,戦後再建されたペッテンコーフェル研究所の前庭に建っているヒュゲイア像を訪ねた.

参考文献

1) 森鴎外:鴎外全集著作編第25巻.pp 359-369(ペッテンコオフエルの逸事),岩波書店,1953
2) 北博正:ペッテンコーフェルの再発見.日衛誌23(1):27-30,1968
3) カール・ヴィーニンゲル(植木絢子訳):知られざる科学者ペッテンコーフェル環境医学の創始者.風人社,2007
4) 華表宏有:ペッテンコーフェルの事跡を訪ねて.静岡県医師会報(投稿中)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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