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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生72巻6号

2008年06月発行

文献概要

連載 研修医とともに学ぶ・3

信楽焼とへき地診療~管内の地理を知る~

著者: 嶋村清志

所属機関:

ページ範囲:P.490 - P.490

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 甲賀保健所管内には,タヌキの焼物で有名な信楽があります.信楽は周囲を山々に囲まれた高原にあり,信楽中央病院の出張診療所であるへき地診療所が3か所(多羅尾・田代・朝宮)もあります.当所では多羅尾診療所に昨年から研修医を派遣していますが,そのねらいは,まず信楽というへき地を自分の眼で見て,そこに住む住民の声に耳を傾け,住民と同じ目線で信楽の風と住民の温もりを感じてきてほしいと考えています.

 地元の病院に勤務していても信楽に行ったことがない,という研修医もいますし,ましてや信楽高原鉄道やバスなどの公共交通機関もほとんど利用したことがない人もいます.そこで研修医には「信楽中央病院に朝8時30分までに行けば,多羅尾診療所に連れて行ってもらえるからね」と鉄道の時刻表を渡しています.その時刻表を見て初めて,1時間に1本しか信楽行きの列車がないことを知るようです.そもそも信楽中央病院がどこにあるのかも知らない研修医もいますが,そんな時は「インターネットは使い放題だからね」と言って自分で調べてもらいます.調べているうちに,どれだけ住民が不便を強いられているかを知ることができるのです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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