文献詳細
文献概要
視点
公衆衛生としての循環器疾患予防
著者: 磯博康1
所属機関: 1大阪大学医学系研究科公衆衛生学
ページ範囲:P.604 - P.605
文献購入ページに移動公衆衛生が法律の中のどこでどのように述べられているかを問われると,すぐに思い浮かぶ人は専門家の間でもそう多くはない.実は,医師法,歯科医師法,薬剤師法,保健師看護師助産師法のそれぞれ第1条で述べられている.
医師法は「医師は,医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し,もって国民の健康な生活を確保するものとする」,同様に,歯科医師法は「歯科医師は,歯科医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し,もって国民の健康な生活を確保するものとする」,薬剤師法は「薬剤師は,調剤,医薬品の供給その他薬事衛生を掌ることによって,公衆衛生の向上及び増進に寄与し,もって国民の健康な生活を確保するものとする」そして,保健師看護師助産師法の「この法律は,保健師,助産師及び看護師の資質を向上し,もって公衆衛生の普及向上を図ることを目的とする」とある.実にこれらの業種の業務が公衆衛生として集約されているではないか.栄養士法では公衆衛生の用語は用いられていないが,「個人の身体の状況,栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導」は,公衆衛生を指すものである.
参考文献
掲載誌情報