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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生72巻8号

2008年08月発行

文献概要

連載 予防活動のガイドライン・8

肝炎ウイルス

著者: 野村恭子1

所属機関: 1帝京大学医学部衛生学公衆衛生学教室

ページ範囲:P.652 - P.655

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 わが国ではB型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)の持続感染者がそれぞれ120~140万人,100~200万人いると推測されている.このうちB型では10~15%,C型では70%前後が慢性肝疾患を有していると考えられており,肝がんへ移行する危険性がある.ウイルス肝炎治療はこの数十年で飛躍的に進歩し,著しく予後が改善,医療保険適用が拡大した.こうした背景の中,平成14年度に老人保健における保健事業に肝炎ウイルス検診が導入され,政府管掌健康保険等もこれに準じた.

 本稿では肝炎スクリーニングに対する米国予防医療研究班の勧告を紹介しながら,わが国における肝炎対策について,EBMの観点から検討することを目的とする.

参考文献

1) http://www.ahrq.gov/clinic/pocketgd07/pocketgd07.pdf
2) Noto H, et al:Special Committee for Preventing Hepatitis B in Shizuoka. Combined passive and active immunoprophylaxis for preventing perinatal transmission of the hepatitis B virus carrier state in Shizuoka, Japan during 1980-1994. J Gastroenterol Hepatol 18(8):943-949, 2003
3) Sasaki F, et al:Very low incidence rates of community acquired hepatitis C virus infection in company employees, long-term inpatients, and blood donors in Japan. J Epidemiol 6(4):198-203, 1996
4) Moriya T, et al:Transmission of hepatitis C virus from mothers to infants:its frequency and risk factors revisited. Biomed Pharmacother 49(2):59-64, 1995
5) 厚生労働省:平成18年度肝炎ウイルス検診等の実績について.  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1003-1.html
6) Wilson JMG, et al:Principle and Practice of Screening for Disease. WHO Geneva 22(11):473, 1968
7) UK national screening committee.http://www.nsc.nhs.uk/
8) 矢野栄二:第1章 康診断の有効性と有用性.矢野栄二,小林廉毅,山岡和枝(編):EBM健康診断 第2版.医学書院,2003
9) 吉澤浩司・他:肝炎ウイルス検診の実施と今後に残された課題.日本消化器病学会雑誌102(9):1123-1131,2005
10) 出口松夫・他:HCV抗体スクリーニング検査法の比較.感染症学雑誌76(9):711-719,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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