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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生72巻8号

2008年08月発行

文献概要

報告

非対面減量プログラムを用いた保健指導者による12地域同時介入の試み

著者: 足達淑子12 田中みのり13

所属機関: 1あだち健康行動学研究所 2日本予防医学協会 3あだち循環器科内科クリニック

ページ範囲:P.674 - P.679

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 メタボリックシンドロームや2型糖尿病の予防には半年間で5%程度の減量が目標とされ,行動療法が推奨されている1).肥満の行動療法はすでに評価が確立し,近年,日本でもその成績が散見されるが,専門性や時間の制約から普及は十分とは言えない.一方,行動療法は治療構造が明快なため自己教材や通信による治療が可能で,コンピュータやインターネット(以下IT)の活用も積極的に検討されている2)

 足達らは,個別助言を自動化した減量支援プログラム(健康達人減量編,オムロンヘルスケア(株);以下KTP)3~5)や,簡便な生活習慣改善プログラム(以下SP)6)を開発し,目標行動設定と1か月間の自己監視で約1kgの減量が可能で3~6),観察のみで半年間は減量が促進すると報告した4).しかし,それらはKTP利用者や研究応募者,職域のSP参加者などに限られたものであった.もし,現行の地域の保健事業でこれらを適用できれば,保健師らによる行動変容指導を補完する有用なツールになりうると考えた.同時に保健指導者の行動変容技能の向上も重要課題となっており,1980年頃より種々の習慣について研究がなされている.日本では中村ら7)が禁煙教育について報告し,足達ら8)は減量教育技能の獲得には疑似体験や実践が必要と報告した.

参考文献

1) NIH:Clinical Guidelines on the identification, evaluation, and treatment of overweight and obesity in adults. pp98-4083, NIH publication, 1998
2) Harvey-Berino J, et al:Effect of Internet support on the long-term maintenance of weight loss. Obes Res 12:321-329, 2004
3) 足達淑子・他:肥満に対するコンピュータを用いた健康行動変容プログラム.肥満研究10:31-36, 2004
4) Adachi Y, et al:A randomized controlled trial on the long-term effects of a 1 month behavioral weight control program assisted by computer tailored advice. Behav Ther 45:459-470, 2007
5) 山津幸司・他:男性に対する非対面の行動的減量プログラムを用いた無作為介入試験.肥満研究11(3):311-316, 2005
6) 足達淑子・他:通信による簡便な生活習慣改善プログラム.肥満研究12(1):19-24, 2006
7) 中村正和・他:禁煙指導のための指導者トレーニングプログラムの評価.日本健康教育学会誌7:258-259, 1999
8) 足達淑子・他:行動療法による体重コントロールのための指導者教育プログラムとその評価.日本公衛誌49:1184-1194, 2002
9) 足達淑子・他:セルフ減量マニュアル.(有)二瓶社,2000
10) Thijs GA:GP's consult & health behavior change project. Patient Educ Counsel 67:267-271, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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