公衆衛生72巻9号

2008年09月発行

特集 現代の貧困と健康

生活保護における諸問題

著者： 大山典宏

所属機関：

ページ範囲：P.728 - P.731

　日本の社会保障が危機に瀕している．財源不足に加え，これまで制度の基盤となってきた「企業による福祉」や「家族の支え合い」が弱体化し，セーフティネットの網からこぼれ落ちる人が激増している¹⁾．

　社会の中で広がり続ける貧困．その中で，最後のセーフティネットである生活保護制度の在り方に注目が集まるのも当然と言えよう．

参考文献

１) 2008年5月11日にNHK総合テレビで放映されたNHKスペシャル「セーフティーネットクライシス」の案内文による．

２) 「社会・援護局関係主管課長会議」の資料は，独立行政法人福祉医療機構が運営する「ワムネット」(http://www.wam.go.jp/)を通じて一般に公開されている．

３) 厚生労働省社会・援護局長通知：生活保護法施行事務監査の実施について，2008改正．なお，関係法令は，下記に所収．

４) 生活保護手帳編集委員会：生活保護手帳(2008年度版)，中央法規出版，2008

５) 厚生労働省社会・援護局保護課長通知：ホームレスに関する生活保護の適用について，2002