公衆衛生73巻10号

2009年10月発行

特集 これからの予防接種

任意接種ワクチンの現状

著者： 薗部友良¹

所属機関： ¹日本赤十字社医療センター小児科

ページ範囲：P.745 - P.749

　日本の予防接種制度においては，予防接種法に基づいたものが定期接種ワクチンであり，基づかないものが任意接種である．しかし定期接種ワクチンであっても，定められた期間や規定回数等を超えて外れたものは任意接種になる．

　本稿では，任意接種ワクチンの種類やそのワクチンで防げる疾患だけでなく，任意接種ワクチンの根本問題などにも触れてみる．

参考文献

1) CDC:Summary of Notifiable Diseases-United States, 2007. MMWR 56(53):1-94, 2009

2) 神谷　元・他：ワクチンにて予防可能な細菌・ウイルス性感染症の我が国での発症状況．日医雑誌138:654-658, 2009

3) 薗部友良：日本で安全に予防接種を行うために．ワールドフォーカス117:1-3, 2009　(http://www.npo-bmsa.org/wf117.shtml)

4) 江波武志・他：予防接種行政の現状．日医雑誌138:670-675, 2009

5) 庵原俊昭：ムンプス最近の話題．小児保健研究68:126-128, 2009

6) Nguyen HQ, et al:Decline in mortality due to Varicella after implementation of Varicella Vaccination in the United States. N Engl J Med 325:450-458, 2005

7) 神谷　齊：水痘の合併症．水痘・帯状疱疹(高橋理明，新村眞人編)，pp116-123, メディカルトリビューン，1987

8) 多屋馨子：水痘・帯状疱疹．ムンプスに関する臨床疫学的研究，厚労省科研費補助金新興・再興感染症事業，水痘，流行性耳下腺，肺炎球菌による肺炎等の今後の感染症対策に必要な予防接種に関する研究　平成15年度-17年度総合研究報告書，pp80-88, 2006

9) 上原すゞ子：インフルエンザ菌b型(Hib)結合体ワクチン．臨床とウイルス37:178-189, 2009

10) 藤澤知雄：B型肝炎ワクチン．日医雑誌138:689-692, 2009

11) 神谷　齊・他：小児肺炎球菌感染症による疾病負担とワクチンの費用対効果．小児感染免疫21:142-148, 2009

12) 牛嶋廣治：ロタウイルスワクチン．日医雑誌138:701-704, 2009

13) 平井康夫：子宮頸癌一次予防を目指すヒトパピローマウイルスワクチンは必要か？．臨床とウイルス37:153-159, 2009

14) WHO:Japanese encephalitis vaccine. Weekly Epidemiological Record 81:331-340, 2006

15) Nakayama T, et al:Vaccine adverse events reported in post-marketing study of the Kitasato Institute from 1994 to 2004. Vaccine 25:570-576, 2007