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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生73巻11号

2009年11月発行

文献概要

特集 薬物乱用

わが国の一般人口における薬物乱用・依存の実態

著者: 和田清1

所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所薬物依存研究部

ページ範囲:P.807 - P.812

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はじめに

 わが国の薬物乱用・依存状況は,覚せい剤事犯者数を基に語られてきた歴史がある.今日までにその覚せい剤の乱用期は3期に分けられ,今日は1995年に始まった第3次覚せい剤乱用期1)にある(図1).しかし,その第3次覚せい剤乱用期もすでに10年以上が経過しており,2007年にはリタリン問題が,2008年秋には角界および大学生における大麻問題が,そして今年の8月には芸能人におけるMDMA,覚せい剤問題がマスメディアを賑わせたように,この10余年の中で,わが国の薬物乱用状況は大きく変化してきている.

 本稿では,わが国全体での薬物乱用・依存状況(本稿で扱う薬物とはアルコール,ニコチンを除く薬物についてである)を反映していると目される統計資料を基に,わが国の薬物乱用・依存の今日的状況を考察したい.

参考文献

1) 和田清:薬物乱用の現状と歴史.神経精神薬理19(10):913-923,1997
2) 平成20年版犯罪白書.法務総合研究所,2008
3) 和田清,尾崎茂,近藤あゆみ:薬物乱用・依存の今日的状況と政策的課題.日本アルコール・薬物医学会雑誌43(2):120-131,2008
4) 和田清,嶋根卓也,近藤あゆみ:薬物使用に関する全国住民調査.平成19年度厚生労働科学研究費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業)「薬物乱用・依存等の実態把握と「回復」に向けての対応策に関する研究(H19-医薬-一般-025)主任研究者:和田清」研究報告書.pp15-95,2008
5) 尾崎茂,和田清,大槻直美:全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査.平成20年度厚生労働科学研究費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業)「薬物乱用・依存等の実態把握と「回復」に向けての対応策に関する研究(H19-医薬-一般-025)主任研究者:和田清」研究報告書.pp87-134,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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