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特集 薬物乱用
青少年の薬物汚染の現状とその支援の課題
著者: 水谷修1
所属機関: 1水谷青少年問題研究所
ページ範囲:P.821 - P.824
文献購入ページに移動現在,青少年の薬物汚染は大きな社会問題となり,私たち教育の現場においても避けて通ることのできないものとなっています.その一方で,社会のこの問題に対する意識は希薄であり,多くの人たちが,一部の地域の一部の若者たちの問題としてしか捉えていません.教育現場についても,同様のことが言えます.本来,生徒たち一人ひとりに,薬物を自ら拒む力を育てるべきであるにもかかわらず,ただ,声を大にして「薬物は怖い,絶対に近づいてはならない.人間をやめることになるぞ!」と叫んでいるだけではないでしょうか.
今や,若者たちはテレビや雑誌,インターネットなどの様々なメディアから,薬物に関する多くのいい加減な情報を手に入れています.しかも,それらの情報のほとんどは,興味や関心を煽り,薬物を試してみたくさせるような内容です.そして,若者たちの周りには,様々なドラッグが,その魔の手を広げています.
私は,現在まで約18年にわたり,薬物を乱用した5,000人以上の若者たちと関わってきました.しかし,そのうち41名の若者を事故や自殺で失い,約3割の若者を精神病院や刑務所の檻の中に失いました.今でも私とともに薬物を止め続けている若者は,3割に過ぎません.残りの若者は,現在もどこかで薬物の乱用を続けています.
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