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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生73巻11号

2009年11月発行

文献概要

活動レポート

減量プログラムへの参加人数の違いによる減量効果の比較

著者: 久保田晃生1 永田順子2 杉山真澄3 石塚貴美枝2

所属機関: 1東海大学体育学部生涯スポーツ学科 2静岡県総合健康センター 3静岡県東部健康福祉センター

ページ範囲:P.872 - P.876

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緒言

 肥満は高血圧症,2型糖尿病などの多様な慢性疾患を誘発,合併しやすいことが知られている.そのため,肥満予防,改善は重要であり,体重減少(以下,減量)のための運動や食事指導が含まれたプログラムが,地域1),職域2)で実践され成果を得ている.ところで,減量プログラムは,集団参加による運動や食事指導の場合もあるが,基本的には1人で参加するものが多い.これは,減量が個人の努力で運動や食事の改善を図り行うためと考えられる.

 しかし筆者ら3)は,通常個人で参加する形式を,3人1グループで参加する形式とした減量プログラムを試みた.この減量プログラムは12週間で現体重から5%の減量を目指した.そして,3人で共通した減量に繋がる運動,食事目標の達成状況,1日の平均歩数状況を評価した.38グループ中32グループが継続し,継続者の92.7%に平均3.7kgの減量が認められた.この成果から,3人1グループで参加する形式は,効果的な減量の取り組みになる可能性が示唆された.

参考文献

1) 野坂久美子,長尾光城:中年期肥満女性の減量教室とライフスタイルの変容について.川崎医療福祉学会誌14(2):331-340,2005
2) 国柄后子,足達淑子:行動療法による体重コントロールの通信指導.肥満研究6(3):262-268,2000
3) 久保田晃生,永田順子,杉山真澄:ソーシャルサポートを強化したグループ参加による減量プログラムの有効性.日本公衛誌55(5):327-340,2008
4) 日本肥満学会 肥満症治療ガイドライン作成委員会:肥満症治療ガイドライン2006.肥満研究12:42-48,2006
5) 村瀬訓生,勝村俊仁,上田千穂子:身体活動量の国際標準化―IPAQ日本語版の信頼性,妥当性の評価.厚生の指標49(11):1-9,2002
6) 静岡県総合健康センター:平成15年度静岡県版食品摂取頻度調査票開発に関する研究.2004
7) 足達淑子(編):栄養指導のための行動療法入門.医歯薬出版,1998
8) Shaw K, O'Rourke P, Del Mar C, et al:Psychological interventions for overweight or obesity. Cochrane Database of Systematic Reviews Issue 2:CD003818, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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