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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生73巻11号

2009年11月発行

文献概要

「公衆衛生」書評

「質的データの取り扱い」 フリーアクセス

著者: 神馬征峰1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科・国際地域保健学教室

ページ範囲:P.856 - P.856

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 質的研究が近年ハヤリになってきている.参考書も爆発的に増えている.しかしこの手法を用いて,卒論を書く,修士論文を書く,博士論文を書くとなると容易なことではない.本が増えるほどには教官の数は増えていない.教授の数も増えていない.図書館とて,厳しい選択の際,好んで多くの質的研究の参考書を買ってくれるわけではない.まだ状況は険しいのだ.

 そういう中で質的研究を進めようとする際,頼りになるのは限られた数のよき参考書とよき友人である.本書はこれまでの質的研究の参考書とどこが異なるか? これまでは量的手法との違い,パラダイムの違いなどが強調されてきた.質的研究の存在意義を主張するものが多かった.しかし,十分にその価値が認められるようになった英語圏の国において,「質的研究にとって大事なのは“はじめに手法ありき”ということではない,“はじめにデータありき”ということだ」,と本書は主張する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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