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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生73巻2号

2009年02月発行

文献概要

特集 公衆衛生の人づくり・1 変わりゆく地域保健の人材育成

地域保健の実践事例に学ぶ人材育成―人は人から学ぶもの~「全国いきいき公衆衛生の会」の活動を通して

著者: 嶋村清志12

所属機関: 1滋賀県甲賀保健所 2全国いきいき公衆衛生の会

ページ範囲:P.123 - P.127

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 「全国いきいき公衆衛生の会」は,主に保健所や市町村で公衆衛生活動に携わっている医師,歯科医師,保健師,栄養士,歯科衛生士,獣医師,薬剤師,理学療法士,作業療法士,事務吏員,さらには住民等がそれぞれの地域での特徴ある活動について学ぶため,自主的かつ定期的に交流を行い,公衆衛生活動の方向性やその具体的な進め方について検討していこうと活動をしている組織です.地域での実践事例を共有化して,地域保健活動の質的向上に向けた現場からの方法論を提案し,人材育成にも繋がる活動をしています.現在「全国いきいき公衆衛生の会」(以下,「いきいきの会」)の会員は約500名.日本公衆衛生学会自由集会の他,サマーセミナーの開催,出版活動,ニューズレターの発行もしています.特に,現場での公衆衛生活動から実践的方法論を構築することを主眼としており,そのための交流の場を確保することも大切にしています.共通する理念としては,全国の「事例から学ぶ」こととしており,「住民から学ぶ」あるいは「住民とともに学ぶ」という姿勢を信条にしています.九州,中四国,東海等ではそのブロック内で仲間が集まり,全国と同様に事例から学ぶ活動をしています.

 「いきいきの会」は昭和63年,日本公衆衛生学会(札幌)自由集会後に結成され,「さあ,今!いきいきとした保健所活動を!」をテーマに,星旦二先生(首都大学東京)らの呼びかけで約500名が参加しました1).私自身この会と出会って早18年.振り返ってみると「いきいきの会」を通じて多くの出会いがあり,その時その時の出会いが今の自分を支えてくれているネットワークとなっています.まさにこの会に育てていただいたと感謝しています.

参考文献

1) 全国いきいき公衆衛生の会:いま,いきいきとした公衆衛生活動のために.社会保険出版社,1989
2) 福田洋:予防と臨床のはざまで・53 4月さんぽ会月例会「地域保健の現状と課題」~起こし屋Dr.奮闘記.公衆衛生72(9):599, 2008
3) 嶋村清志:新医師臨床研修「地域保健・医療」と保健所の役割.公衆衛生70(5):340-341, 2006
4) 嶋村清志:研修医とともに学ぶ・8 結核・感染症対策に学ぶ医の倫理と人権.公衆衛生72(11):915, 2008
5) 保健所医師グループ(編著):危機に立つ保健所 再生への歴史的展望と実践理論.珠真書房,1978
6) 森岡聖次,金子仁子:事例からの学び―「全国いきいき公衆衛生の会」の15年.公衆衛生68(7):573-575, 2004
7) 星旦二:あなたのまちの健康づくり―みんなで進める「健康日本21」.新企画出版社,2001
8) 毛利好孝・他:戦略的計画づくりのワークショップテキスト~「健康づくり」関連計画策定のために.有限会社HK,2008
9) 尾島俊之:ポピュレーション・アプローチとアセット・モデル.日本公衛誌55(10):733-736, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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