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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生73巻3号

2009年03月発行

文献概要

特集 公衆衛生の人づくり・2 専門性を支える公衆衛生人教育

英国における公衆衛生人現任教育の現状―Faculty of Public Healthプログラム

著者: 高鳥毛敏雄1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科

ページ範囲:P.200 - P.205

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公衆衛生制度の基本構造

 リバプールで,1848年にWilliam Duncanがはじめて保健医官(Medical Officer of Health:MOH)に就任し,生活環境改善などの予防的な公衆衛生施策の実施により貧困地域における乳幼児の死亡率を大幅に改善する著名な功績を上げたことから,1871年に自治体に保健医官を置くことが制度化されるようになった.1875年の公衆衛生法改正により全国の自治体に波及していった.公衆衛生の担い手は「自治体」とし,「保健医官」が存在する形が整えられた.この制度の特徴は,「自治体」とそこに「専門職」を位置づけたということにある.これ以後,自治体の中の専門職を専門職らしくどのように育て,仕事をさせていくかが,公衆衛生対策の重要な課題として今日まで大きな命題として存在し続けている.

参考文献

1) 張知夫:卒後教育をどうするか.関悌四郎(編):集団医学の発足.pp177-216,現代ジャーナリズム出版会,1970
2) Department of Health:Public Health in England. Report of the Committee of Inquiry into the Future Development of the Public Health Function. London, 1988
3) John Ashton, Howard Seymour:The New Public Health. pp15-40, The Setting for a New Public Health, 1990
4) 今村恭子,水嶋春朔:イギリスの公衆衛生専門教育.公衆衛生62(3):195-200,1998
5) 多田羅浩三:公衆衛生の思想 歴史からの教訓.pp251-255,医学書院,1999
6) Department of Health:Getting ahead of the curve;A strategy for combatting infectious diseases(including other aspects of health protection). London, 2002
7) 林謙治:リーダーシップの養成―英米との対比から.公衆衛生68(1):31-34,2004
8) 高鳥毛敏雄:ロンドンの公衆衛生体制と結核対策戦略.公衆衛生69(3):203-208,2005
9) Alison Hill, Sian Griffiths, Stephen Gillam:Public Health and Primary Care Partners in Population Health. Oxford University Press, 2007
10) Faculty of Public Health of the Royal Colleges of physicians of the United Kingdom:Public Health Training Curriculum 2007. pp1-70, FPH of RCP, 2007
11) Bradford and Airedale NHS Teaching Primary Care Trust:The Annual Report of the Joint Director of Public Health, Bradford and Airedale 2007/2008, Bradford District Council, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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