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文献概要
特集 介護予防―3年間の検証から
介護予防施策としての運動器疾患対策
著者: 大渕修一1
所属機関: 1東京都老人総合研究所介護予防緊急対策室
ページ範囲:P.266 - P.271
文献購入ページに移動同時に,制度成立時には予想されなかった,脳血管疾患などの疾病による要介護状態ではなく,廃用を背景とし加齢に伴う生活機能障害によって要介護状態となっている者が,特に軽度要介護者で多いことがわかり,すでに生活機能障害が大きく生じている要介護高齢者へのサービスの提供にとどまらず,要介護状態になる前のリスクの高い地域の虚弱高齢者まで拡大する必要があると考えられた.これらのことから,平成17年の介護保険法の改定にあわせて,軽度者への廃用症候群を背景とする老年症候群を主な介入対象と明確にした上でこれを早期に発見する,健診システム,状態改善を促す介護予防サービス,それらをマネジメントする地域包括支援センターが整備されることとなった.
本稿では,この新しい介護予防施策が導入されてからの3年間の功罪を,運動器疾患対策(正しくは医療対象と区別する意味で,運動器の機能低下であるが)に視点を置いて論述したい.
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