icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生73巻4号

2009年04月発行

文献概要

特集 介護予防―3年間の検証から

介護予防の評価―医療経済学・政策学の視点から

著者: 濃沼信夫1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科

ページ範囲:P.286 - P.289

文献購入ページに移動
試金石の経済評価

 目前の2009年度介護報酬改定では3.0%の引き上げが行われることになっているが,介護の財政問題は深刻化している.介護費用,介護給付費の大幅な増加は制度設計時の大方の予想を上回るものであり,また最近では,認知症高齢者や高齢者単独世帯の増加,ケアニーズの個別化・多様化,介護従事者の不足など,より多くの財源が必要となる新たな事態が生じつつある.

 さらに,昨今の世界的な金融危機と急速な経済悪化によっても,介護を包含する社会保障財源は危険水域にまで逼迫する恐れがある.介護保険料支払い年齢(40歳)の引き下げや,消費税(3%)の引き上げなど,国民に負担増を強いる新たな財源の確保が容易でない以上,介護サービスの低下を招かないためには,制度の効率的な運用が不可欠である.

参考文献

1) 濃沼信夫:がん医療の経済評価に関するガイドライン.厚生労働省 がん克服戦略事業報告書,2004
2) 川渕孝一:医療費・介護費用の介護予防効果と持続性に関する研究.病院管理43 Suppl:146, 2006
3) 吉田裕人・他:介護予防事業の経済的側面からの評価.日本公衛誌54(3):156-167,2007
4) チャールズ・ユウジ・ホリオカ:介護保険 現金給付導入を.日経新聞2008年3月13日
5) 辻 一郎:介護予防のねらいと戦略.社会保険研究所,2006
6) Majumdar SR, et al:Use of a case manager to improve osteoporosis treatment after hip fracture;results of a randomized controlled trial. Arch Intern Med 167(19):2110-2115, 2007
7) 濃沼信夫:骨粗鬆症と骨折に対する予防対策の経済効果に関する研究.厚生労働省 長寿科学総合研究事業 総合研究報告書,2007
8) NIH:Consensus Development Panel on Osteoporosis Prevention, Diagnosis, and Therapy. JAMA 285:785-795, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら