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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生73巻4号

2009年04月発行

文献概要

連載 パートナーシップ時代の国際保健協力―これから国際保健協力を志す若者への10章・7

国際保健における知的所有権問題とUNITAIDなどの新しい動きについて

著者: 鷲見学1 エドワード・ベラ2 武井貞治3 中谷比呂樹24

所属機関: 1世界保健機関本部総務局 2世界保健機関エイズ・結核・マラリア及び特定熱帯病局 3UNAIDSモニタリング 4世界保健機関事務局

ページ範囲:P.294 - P.298

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 国際保健は,公衆衛生や医学・医療といった伝統的な領域を超えた広がりの中で展開しつつあることは繰り返し述べてきたところであるが,今回は知的所有権の問題を取り上げ,新たな広がりを実感していただくのが本稿の目的である.世界の保健水準向上にはワクチンや治療薬などの医薬品が廉価かつ安定して供給される必要があるが,その阻害要因として,知的所有権とその保護が近年注目されるようになっている.しかし,一般論としては,技術開発の主役は民間企業であることが多く,知的所有権とその保護による利益は,研究および開発の最も重要なインセンティブである.そのため,過剰な緩和策は技術開発を滞らせ,人類の長期的利益を損ねかねない恐れもある.そのバランスをどうとるか,課題軽減のため,どのような革新的な取り組みがなされているか,述べてゆくことにしよう.

参考文献

1) Intergovernmental Working Group on Public Health, Innovation and Intellectual Property  (http://www.who.int/gb/phi/, accessed 16 January 2009)
2) Intergovernmental Meeting on Pandemic Influenza Preparedness:sharing of influenza viruses and access to vaccines and other benefits  (http://www.who.int/gb/pip/, accessed 16 January 2009)
3) Resolution WHA61.21. Global strategy and plan of action on public health, innovation and intellectual property, Geneva, World Health Organization, 2008  (http://www.who.int/gb/ebwha/pdf_files/WHA61-REC1/A61_Rec1-part1-en.pdf, accessed 16 January 2009)
4) UNITAID(http://www.unitaid.eu/, accessed 16 January 2009
5) AMFm, An affordable medicined facility for malaria.  (http://www.rollbackmalaria.org/globalsubsidytaskforce.html, accessed 16 January 2009)
6) エドワード・ベラ,グローバルヘルスの観点からの利益のバランス―知的所有権の保護と保健医療製品へのアクセスの向上.感染症情報No. 105, 2008  (http://www.npo-bmsa.org/wf105.shtml, accessed 16 January 2009)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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