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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生73巻5号

2009年05月発行

文献概要

特集 自然毒食中毒

自然毒による食中毒の概要

著者: 西田茂樹1

所属機関: 1福島県衛生研究所

ページ範囲:P.320 - P.322

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 食中毒の原因としては細菌やウイルス等の微生物が一般的であるが,微生物以外を原因とする食中毒が存在している.その1つは化学物質を原因とする食中毒であり,食品や飲料水の中に有毒な化学物質や金属等が含有されることで発生する.昨今問題になった有機リン系農薬メタミドホスが混入した餃子による食中毒がこれに該当する.もう1つは植物や動物(魚介類)を食べて食中毒を起こす場合であり,自然毒による食中毒と呼ばれている.自然毒食中毒は有毒な化学物質を含んだ植物や動物を食べることで発生するものであり,化学物質が原因となる点では本質的には化学物質による食中毒と変わりはない.しかし,化学物質による食中毒が本来その食品が持っていない化学物質によって汚染されて食中毒が発生する場合を指すのに対して,自然毒による食中毒は植物や動物が本来含有している有毒な化学物質や食物連鎖で動物の体内に蓄積した有毒な化学物質により食中毒が発生する場合を指す点で異なっている.化学物質による食中毒の中にも,自然界に存在するヒ素が井戸水の中に溶け出し,その井戸水を飲んで起こる慢性のヒ素中毒のような例もある.このような場合自然界に存在する有害物質による食中毒であるが,これは一般的には自然毒による食中毒には含めない.

 自然毒による食中毒は,大きく植物によるものと動物によるものとに分けられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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