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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生73巻5号

2009年05月発行

文献概要

特集 自然毒食中毒

フグ毒による食中毒

著者: 荒川修1 谷山茂人2 高谷智裕1

所属機関: 1長崎大学水産学部 2長崎大学大学院生産科学研究科

ページ範囲:P.323 - P.327

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 日本人の多くはフグに致死的な毒があることを知っている.にもかかわらず,昔からフグを好んで食べ,独自のフグ食文化を築き上げてきた.しかしながら,これによる食中毒も多発したため,1983年12月に厚生省(現厚生労働省)は「フグの衛生確保について」の通知を出して食用にできるフグの種類と部位,採捕海域を明文化した.以後,専門店での事故はほとんどなくなったが,素人が自分で釣ったフグや知人から譲り受けたフグを自ら調理し,肝臓や卵巣などの有毒部位を食べて中毒する事例が未だに後を絶たない.

 本稿では,フグ毒の性状,フグ毒を持つ魚介類の種類や部位,フグによるヒトの中毒事例などについて解説するとともに,最近問題となっているフグ以外の魚介類によるフグ毒中毒,ならびにフグ毒とは異なる毒によるフグ中毒について紹介する.

参考文献

1) Yotsu-Yamashita M:Chemistry of puffer fish toxin. J Toxicol-Toxin Rev 20:51-66, 2001
2) Narahashi T:Pharmacology of tetrodotoxin. J Toxicol-Toxin Rev 20:67-84, 2001
3) Noguchi T, Arakawa O:Tetrodotoxin-distribution and accumulation in aquatic organisms, and cases of human intoxication. Marine Drugs 6:220-242, 2008
の毒性と毒成分.食衛誌50(1):22-28,2009
5) Hwang PA, et al:The gastropod possessing TTX and/or PSP. Food Reviews International 23:321-340, 2007
6) 谷山茂人・他:アオブダイ中毒様食中毒.New Food Industry 45(12):55-61,2003
7) 荒川 修:麻ひ性貝毒をもつフグ.化学と生物36(8):489-490,1998
8) 荒川 修:有毒植物プランクトンを起源とする貝毒.海洋と生物18(4):273-278,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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