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特集 地域精神保健・医療の今日的課題
若年認知症患者の地域ケアにおける現状と課題
著者: 宮永和夫1
所属機関: 1南魚沼市立ゆきぐに大和病院
ページ範囲:P.422 - P.428
文献購入ページに移動Ferri CPら2)によると,発展途上国の認知症疫学調査と先進国の今までの報告,そして今後の世界の人口高齢化率の推計に基づいて概算した結果,60歳以上の認知症者は,2001年度には2,430万人だったが,2020年には約2倍の4,230万人に,2040年には3倍強の8,110万人になるという.特に,2040年には開発途上国の認知症者は全体の71.2%を占め,特に中国,インド,南アメリカの割合が著明であるという.
一方,日本では,厚生労働省による認知症者の推計値が公表されている.1999年度の推計値と2002年の推計値では将来推計数が異なり,より近未来の2025年に1999年に推計された数値を超える(表1).これは,国の予測以上に認知症者の人数が増加していることを意味する.ただ,これらの推計値は介護保険に申請された要介護認定者(第1号被保険者)で自立度Ⅱ以上の高齢者の推計値(2002年発行)から計算されたものであり,介護保険未申請者や自立度Ⅰの認知症患者は含まれないため,実際はもっと認知症患者は多くなると言える.
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