icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生73巻7号

2009年07月発行

文献概要

特集 自治体中心の新たな健康政策―Health Impact Assessmentの導入

自治体における健康影響アセスメントの実践―その手順と方法

著者: 石竹達也1 星子美智子1 原邦夫2

所属機関: 1久留米大学医学部環境医学講座 2帝京平成大学地域医療学部

ページ範囲:P.488 - P.492

文献購入ページに移動
 健康影響アセスメント(Health Impact Assessment,以下HIAと略す)は健康を指標とした行政評価を目的とし,1990年初頭より欧州を中心にEU諸国で実施され始めた.HIAとは,提案された政策,施策,事業によって生じる可能性のある健康影響や健康事象に関連する要因(健康の社会的決定要因)の変化や,影響を受ける集団および集団の属性の違いによる影響の違いを事前に予測・評価することによって,健康影響に関する便益を促進し,かつ不便益を最小にするように提案された政策,事業を適正化していく一連の過程と方法論のことである1~3).今回,われわれはある地方自治体の「中核市」移行に伴う健康影響についてこの方法を適用したので,本稿にて紹介するとともに,自治体主導のHIAの導入意義や課題について論じる.

参考文献

1) Scott-Samuel A:Health impact assessment-theory into practice. J Epidemiol Community Health 52:704-705, 1998
2) WHO European Centre for Health Policy:Health Impact Assessment;main concepts and suggested approach, Gothenburg consensus paper. Geneva, Switzerland, 1999
3) 藤野善久:Health Impact Assessmentに関する包括的研究2006年[総括研究報告書厚生労働科学研究費補助金政策科学総合研究事業(政策科学推進研究事業)].pp2-146, 2007
4) 星子美智子・他:久留米市中核市移行に伴う健康影響評価報告書.http://www.med.kurume-u.ac.jp/med/envi/study/hia/report.htm
5) 市町村合併における保健活動の推進に関する検討会;市町村合併における保健活動.pp9-136,財団法人日本公衆衛生協会,2005
6) 藤野善久・他:Health Impact Assessmentの基本的概念及び日本での今後の取り組みに関する考察.日本公衛誌5:73-79, 2007
7) Abrahams D, et al:European Policy Health Impact Assessment(EPHIA)-A Guide. International Health Impact Assessment Consortium, 2004
8) 「中核市」市長会:「中核市」市長会ホームページ.http://www.chuukakushi.gr.jp
9) スーザン・ミルナー:地方自治体でHIAを活用する.健康影響評価概念・理論・方法および実施例(藤野善久,松田晋哉監訳).pp187-193,社会保険研究所,2008
10) 藤野善久・他:HIAガイドライン(企業活動への応用):スクリーニング編,2009
11) 原邦夫・他:Health Impact Assessment(HIA)トレーニングコースに参加して.http://www.med.kurume-u.ac.jp/med/envi/study/hia/report.htm

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら