icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生73巻9号

2009年09月発行

特集 弱者への暴力

女性への暴力:夫・恋人からの暴力

著者: 笹田(堀)琴美1

所属機関: 1郡山女子大学家政学部人間生活学科

ページ範囲:P.651 - P.654

文献概要

増加する女性への暴力

 警察庁におけるドメスティック・バイオレンス(Domestic Violence,以下DV)の認知件数は,平成20年度は前年に比べて20%増加して25,000件を超えた(図1).ストーカー事案の認知件数も,平成19~20年度は連続で8~9%の増加となった1).最近の急激な景気悪化による生活基盤の崩壊や社会不安の蔓延を背景に,家庭の中で紛争や暴力が起こりやすくなっているのだろう.中には殺人や死体遺棄などの重大な事件に発展するものもある.女性に対する暴力は,女性の生命を脅かし健康に害を及ぼす社会問題である.

 本稿では,筆者の現場経験(前職:福島県女性のための相談支援センター所長)も交じえ,女性への暴力の最近の課題や対応の注意点,防止教育の試みなどについて述べてみたい.

参考文献

1) 警察庁:ストーカー事案及び配偶者からの暴力事案の対応状況について.2009
2) 内閣府男女共同参画局:男女間における暴力に関する調査.2009
3) 森田ゆり:ドメスティック・バイオレンス~愛が暴力に変わるとき.小学館,2003
4) ポール・スピッカー,圷洋一(監訳):貧困の概念~理解と応用のために.生活書院,2008
5) アジア女性基金:高校生の性暴力被害実態調査委託調査報告書,2004
6) 中里見博:ポルノグラフィーと性暴力~新たな法規制を求めて.明石書店,2007
7) 朝日新聞2007年9月28日「地域・家庭で考える性」
8) 菅谷明子:メディア・リテラシー~世界の現場から.岩波新書,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら