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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻1号

2010年01月発行

文献概要

特集 感染症再見 死亡者数最大の感染症:肺炎

②高齢者の肺炎の特徴

著者: 高橋弘毅1

所属機関: 1札幌医科大学医学部医学科臨床医学部門講座内科学第三講座

ページ範囲:P.12 - P.14

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 高齢者の肺炎の特徴は,嚥下障害,慢性閉塞性肺疾患(COPD)を持つことが多いこと,発熱や咳嗽などの自覚症状が軽い割に重症化しやすいこと,抗菌薬の用量設定に注意が必要なこと,病態回復が遅く遷延化しやすいこと,数日の臥床でもADL(日常生活動作)の低下を招きやすいことである.男性に多く発症し,75歳以上に限ると死因の第3位,90歳以上に至っては第1位である1).高齢者肺炎の多くは誤嚥性肺炎であるが,冬期間ではインフルエンザに合併する肺炎にも要注意である.

参考文献

1) 厚生労働省HP:日本人の平均余命 平成18年簡易生命表(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life06/index.html)
2) 日本呼吸器学会(編):成人市中肺炎診療ガイドライン
3) Kashiwagi S, Ikematsu H, Hayashi J, et al:An outbreak influenza A(H3N2)in a hospital for the elderly with emphasis on pulmonary complications. Jpn J Med 27:177-182, 1988
4) 鍋島篤子,池松秀之,山家滋・他:高齢者におけるインフルエンザについての研究;1992年度院内流行の解析.感染症誌69:801-806, 1996
5) 河合直樹,岩城紀男,川島崇・他:2002/2003年のインフルエンザ流行時における臨床症状の検討.感染症誌78:681-689, 2004
6) Thompson WW, et al:Mortality associated with influenza and respiratory syncytial virus in the United Sytates. JAMA 289:179-186, 2003
7) 小金丸博,稲松孝思:高齢者インフルエンザ.総合臨牀55(12):2844-2849,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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