文献詳細
連載 路上の人々・10
文献概要
「私ねぇ,ちゃんとした暮らしをしたいと思っているのよ.ほんとよ.でもさぁ,この体じゃ,それに,70歳を越しては,どうしょうもないのよ.どうしたらいいの?」
彼女は,多少上目使いに私に視線を合わせ,おちょぼ口から哀願調で言う.公園の垣根の隙間にダンボールを敷き,崩れるようにしゃがみこんでいる.失禁しているのか,下半身の一部が濡れてダンボールも変色し,その横に焼酎のワンカップの空瓶が転がっている.
彼女は,多少上目使いに私に視線を合わせ,おちょぼ口から哀願調で言う.公園の垣根の隙間にダンボールを敷き,崩れるようにしゃがみこんでいる.失禁しているのか,下半身の一部が濡れてダンボールも変色し,その横に焼酎のワンカップの空瓶が転がっている.
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