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特集 再考:HIV/AIDS予防対策
MSMにおけるHIV感染者/AIDS患者の現状と予防戦略
著者: 市川誠一1
所属機関: 1名古屋市立大学看護学部地域保健看護学感染疫学
ページ範囲:P.906 - P.909
文献購入ページに移動HIV感染者/AIDS患者の動向
厚生労働省エイズ発生動向年報によれば,1985年に最初に報告されたAIDS患者6件は,全例が男性同性間の性的接触による感染(日本国籍5例,外国国籍1例)であった1).男性同性間の性的接触による未発症HIV感染者(以下,HIV感染者),AIDS患者の報告数は,その後も徐々に増加し,2009年にはHIV感染者1,021件の内694件(68.0%),AIDS患者431件の内210件(48.7%)を占める状況となった.また,2009年の報告では,HIV感染者の91.3%,AIDS患者の87.7%と日本国籍が大半を占め,日本国籍HIV感染例の70.7%,同AIDS患者例の51.1%を男性同性間感染が占めている.2000~2009年の10年間の動向を見ると,日本国籍の異性間感染は,HIV感染例では127~189件の範囲で増減を繰り返し,AIDS患者例では104~131件の範囲で横ばいの推移である.一方,男性同性間のHIV感染は2000年の203件から2009年には659件と3.3倍に増加し,AIDS患者でも2000年66件から2009年の205件と3.1倍になっている(図).
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