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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻11号

2010年11月発行

文献概要

特集 再考:HIV/AIDS予防対策

HIV/AIDSの感染者・患者に対するカウンセリング体制の現状と課題

著者: 山中京子1

所属機関: 1大阪府立大学人間社会学部社会福祉学科

ページ範囲:P.923 - P.927

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はじめに

 HIV感染者・患者(以下感染者・患者と略)に対するカウンセリングの必要性は,HIV医療の黎明期にあたる1980年代の後半にはすでに認識され,カウンセリング体制の整備が開始された.1997年にプロテアーゼ阻害剤が開発され,抗HIV薬の多剤併用療法が標準のHIV治療になるに従い,感染者・患者の予後も飛躍的に改善し,疾患の特徴も致死的疾患から慢性疾患への変貌を遂げた.それに伴い,感染者・患者が経験する心理社会的課題にも変化が生じている.

 本稿では,まず昨年度筆者らが全国の感染者・患者を対象に行ったアンケート調査を手がかりに,感染者・患者の心理社会的課題の現状を考察し,次いで,現在のHIV医療体制におけるカウンセリング体制の整備の現状と,今後の課題について報告する.

参考文献

1) 山中京子,内野悌司,奥田剛士:HIV感染者・患者のカウンセリングニーズおよび利用経験に関する研究.平成21年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業『中核拠点病院におけるカウンセリングの質を向上させる研究班報告書』,pp41-82,2009年3月
2) 仲倉高弘,安尾利彦,他:全国の複合的カウンセリング体制の現状把握と課題に関する研究.平成21年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業「HIV感染症の医療体制の整備に関する研究」班『平成21年度カウンセリング体制に関する研究報告書』,pp1-17,2009年3月
3) 山中京子,児玉憲一,奥田剛士,他:「中核拠点病院において行われるカウンセリングの実施体制に関する研究」.平成21年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業『中核拠点病院におけるカウンセリングの質を向上させる研究班報告書』,pp13-32,2009年3月
4) 神谷昌枝,石川雅子,他:「派遣カウンセリング制度の拡大および安定運用への方策の明確化に関する研究」.平成21年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業「HIV感染症の医療体制の整備に関する研究」班『平成21年度カウンセリング体制に関する研究報告書』,pp25-29,2009年3月

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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