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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻11号

2010年11月発行

文献概要

列島情報

食中毒とBCP

著者: 日置敦巳1

所属機関: 1岐阜県岐阜保健所

ページ範囲:P.931 - P.931

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 新型インフルエンザの流行で業務継続計画(BCP)の概念が普及した.岐阜県内では,規模は小さいものの,食中毒により業務継続に支障を来したり,危ぶまれたりする事例が続いた.

 最初の事例は,学校給食センター職員の送別会での食事が食中毒の原因となって,学校給食の提供を停止せざるを得なくなったものである.送別会が金曜日の夜にあり,日曜日の昼から月曜日の未明にかけて職員の約半数が嘔吐,下痢,発熱等の食中毒症状を発現した.これらの情報は関係者に集約されず,月曜日の朝になって被害が判明した.症状からノロウイルスによる食中毒が疑われ,給食への二次汚染防止のため,自主的に給食業務を停止することとなった.当日の授業は,急遽,午前中で打ち切り,児童・生徒を帰宅させたため,保護者からの苦情が相次いだ.他施設などからの人的支援が得られなかったため,木曜日から,リアルタイムPCR法で便中にノロウイルス遺伝子が検出されなかった職員が,加熱を行う簡易なメニューで給食の提供を行った.汚染の原因は飲食店従業員のノロウイルス不顕性感染と考えられた.本給食センターでは,今回の事件を踏まえ,まずは職員の健康状態についての連絡体制,会食の時期,調理従事者の緊急時補充体制について見直すこととなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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