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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻11号

2010年11月発行

文献概要

沈思黙考

行政評価

著者: 林謙治1

所属機関: 1国立保健医療科学院

ページ範囲:P.954 - P.954

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 アメリカで行政評価が始まったのは,ベトナム戦争後ジョンソン大統領時の不況下であった.予算節減と行政効率の維持を両立させることは困難な課題であった.これを乗り越えるためには,説得力のある組織評価方法が模索され,個別課題の設定や評価については,客観的な基準が求められた.科学的根拠に基づく医療(EBM)が急速に発展したのは上記の背景とともに,コンピューター技術の急速な進歩のお陰で,大量情報の収集・分析が可能になったことと無関係ではない.

 行政評価は日本では本格的作業もないまま違った形で導入され,またEBMも,疫学サイドよりも臨床サイドの主導で次々と臨床ガイドラインが作成されてきた.国立保健医療科学院は10年前にEBMセンターの設立に手を挙げたが,さまざまな反対に遭遇し,挫折してしまったのは誠に残念である.筆者が当時情熱に燃え,アトランタのCDCに2か月滞在し,技術の取得に勤しんだのも今や昔である.日本医学会は国家レベルの保健・医療情報センターの設立を議論しているようだが,その実現に大いに期待したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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