icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻12号

2010年12月発行

文献概要

連載 地域保健従事者のための精神保健の基礎知識・12【最終回】

公衆衛生の精神保健活動の課題―地域づくりに向けて

著者: 竹島正1 的場由木2

所属機関: 1(独)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センター 2特定非営利活動法人自立支援センターふるさとの会

ページ範囲:P.1034 - P.1037

文献購入ページに移動
はじめに

 本連載も最終回を迎えた.第一筆者は,初回(本誌74巻1号)の本欄「精神保健はどのように定義されてきたか」において,精神保健を,“共に生きる社会の実現という基本理念のもと,人間とその行動の理解を踏まえて,社会に起こるさまざまな問題の実態と関連する要因を明らかにしつつ,社会との協働によって問題の解決を図り,社会をよりよいものにしていく活動”と定義した.また前号の「精神保健と地域づくりのつながり―自殺予防を糸口に」においては,支援が必要でもそれを求めない(求めることができない)人の“生き方”に寄り添いながら,支援することのできるような地域づくりが求められていると述べた.

 本稿では,ホームレス支援に取り組む特定非営利活動法人自立支援センターふるさとの会(以下,ふるさとの会),薬物・アルコール依存症をもつ女性をサポートする特定非営利活動法人ダルク女性ハウス(以下,ダルク女性ハウス)の取組を紹介し,そこから浮かび上がってくる課題をもとに,公衆衛生の精神保健活動の今後について述べる.

参考文献

1) ふるさとの会と支援付き住宅推進会議によるシンポジウム「~ひとりになっても認知症になっても安心して地域の中で暮らし続けたい~「四重苦」を抱えた方々の支援と地域での新たな互助づくり(「絆」の再生)」(2010)の資料
2) 佐藤幹夫:日常生活の生活支援から緩和ケアチーム発足へ―「ふるさとの会」の相談室の試み(2).ホームレスと社会Vol.3(印刷中)
3) Fazel S, Khosla V, Doll H, et al:The prevalence of mental disorders among the homeless in western countries;systematic review and meta-regression analysis. PLoS Med 5(12):e 225, 2008 Dec 2
4) 上岡陽江,大嶋栄子:その後の不自由―「嵐」のあとを生きる人たち.医学書院,2010
5) 伊藤雅治:地域保健の新たな潮流と今後の課題.公衆衛生73(2):96-100, 2009
6) 竹島正,立森久照:政策と社会精神医学.社会精神医学(日本社会精神医学会編集).pp401-413,医学書院,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら