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沈思黙考
ITの功罪
著者: 林謙治1
所属機関: 1国立保健医療科学院
ページ範囲:P.1009 - P.1009
文献購入ページに移動いまやパソコン操作ができない人は少なくとも中規模以上の病院に勤務できないであろう.筆者はかつて体調を崩して病院に受診したとき,医師は画面を見つめながら私に質問をし,もっぱら検査結果の入力と処方を打ち込むだけであった.患者の私の顔をほとんど見ず,腹痛と訴えても体を触りもしない.話には聞いていたが,やはり違和感があった.それでも数回通っているうちに,慣れてくるとそんなものかと妙に納得してしまったが,一般の患者はどう受けとめているだろうか.しばらくしてわかったことだが,検査成績は時系列的にすぐに打ち出してくれるし,診療後会計窓口で支払いを済ますまで,昔と比べものにならないほど速い.ITの普及は明らかに,診療カルチャーを変えてしまったのである.
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