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特集 現代の更年期 現代の新たな問題(早発更年期障害と若年層の擬似症状)
ストレスと若年層の更年期類似症状
著者: 館直彦1
所属機関: 1天理大学大学院臨床人間学研究科
ページ範囲:P.124 - P.127
文献購入ページに移動最近,若年性更年期障害とか,プチ更年期とかいった言葉をしばしば目にするようになった.通常更年期とは言えない年齢でありながら,無月経などの月経異常があり,更年期障害と類似の症状を伴う状態が,そのように呼ばれているのだろうと推測することができる.概念が曖昧なので正確なことは言えないが,そういう言葉を目にするということからも,こうした状態が増えていると考えることができるだろう.
一方,現代社会ではかつてないほどストレスが増大し,そのことが現代人に様々な影響を与えていることが指摘されている.こうした現代社会のストレス状況が,若年で更年期類似症状を持つ患者たちとどのように関わり合うのかを解説し,さらに現代社会における心身の健康について,精神科医の立場から検討を加えることが,筆者に与えられた役割である.なお本稿では,男性で更年期障害類似症状を持つ若年層の患者と言っても何を指すのか余り明確ではないので,若年女性の場合を中心に論じていくことにしたい.
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