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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻2号

2010年02月発行

文献概要

特集 現代の更年期 現代の新たな問題(早発更年期障害と若年層の擬似症状)

ストレスと若年層の更年期類似症状

著者: 館直彦1

所属機関: 1天理大学大学院臨床人間学研究科

ページ範囲:P.124 - P.127

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はじめに

 最近,若年性更年期障害とか,プチ更年期とかいった言葉をしばしば目にするようになった.通常更年期とは言えない年齢でありながら,無月経などの月経異常があり,更年期障害と類似の症状を伴う状態が,そのように呼ばれているのだろうと推測することができる.概念が曖昧なので正確なことは言えないが,そういう言葉を目にするということからも,こうした状態が増えていると考えることができるだろう.

 一方,現代社会ではかつてないほどストレスが増大し,そのことが現代人に様々な影響を与えていることが指摘されている.こうした現代社会のストレス状況が,若年で更年期類似症状を持つ患者たちとどのように関わり合うのかを解説し,さらに現代社会における心身の健康について,精神科医の立場から検討を加えることが,筆者に与えられた役割である.なお本稿では,男性で更年期障害類似症状を持つ若年層の患者と言っても何を指すのか余り明確ではないので,若年女性の場合を中心に論じていくことにしたい.

参考文献

1) 阿部隆明:現代のうつ病像―症状構成とライフステージ.臨床精神病理29:157-166, 2008
2) S.フロイト(著),井村恒郎(訳):悲哀とメランコリー.フロイト著作集6,人文書院,1969
3) 加藤敏:現代の仕事,社会の問題はどのように精神障害に影響を与えているか.精神科治療学22(2):121-131, 2007
4) 切池信夫:働く女性の摂食障害.産業精神保健16(4):205-209, 2008
5) 田島治:新規抗うつ薬の登場とうつ病診断の拡散.精神神経学雑誌111(6):663-668, 2009
6) Tellenbach H:Melancolie. Springer-Verlag, Berlin, 1961[邦訳/木村敏(訳):メランコリー.みすず書房,1978]

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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