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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻2号

2010年02月発行

文献概要

特集 現代の更年期 若年層の性生活と老後のライフスタイル

日本人における性生活~人生80年を健やかに生きる

著者: 大川玲子1

所属機関: 1国立病院機構千葉医療センター産婦人科

ページ範囲:P.133 - P.137

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はじめに

 日本人の性生活が変化してきたかどうか,過去,現在を比較できるデータは少ない.しかし筆者は30年余の産婦人科医,特に性に関わる診療を通して,若者にしても中高年にしても,セクシュアリティについての変化と不変,両面の実感を持っている.また様々な切り口で行われた性調査の結果や,メディアでの性の取り上げ方からも,同様のことが感じとられる.広い年代にわたる調査では,若者のほうが性に対して自由な意識性を持っており,その傾向は女性に著しい.しかし性的活動性について言えば,必ずしも若者が活発というわけでもなく,セックスレスや草食系男子などのことばが一定の共感を得ている.ひとくちに言えば多様化であるが,そのなかで中高年に向けた,より良い性を模索してみる.

参考文献

1) 日本性教育協会(編):「若者の性」白書―第6回青少年の性行動全国調査報告.小学館,2007
2) NHK「日本人の性」プロジェクト(編):データブックNHK日本人の性行動・性意識.NHK出版,2002
3) Laumann EO, Paik A, Rosen RC:Sexual Dysfunction in the United States;prevalence and predictors. JAMA 281:537-544, 1999
4) デュレックス:Sexual wellbeing survey. http://www.durex.com/EN-JP/SEXUALWELLBEINGSURVEY/FEQUENCY%20OF%20SEX/pages/default.aspx
5) 永尾光一,小林秀行,中島耕一・他:女性を対象とした「よりよい性生活」に関する意識調査.日本性機能学会雑誌22(3):287-300,2007
6) 関口由紀,金城真美:女性パートナーからみた性生活とED治療薬に関する意識調査.日本性機能学会雑誌23(1):29-38,2008
7) 荒木乳根子,石田雅巳,大川一郎・他:中高年のセクシュアリティ―男女のパートナーシップの現状について.日本=性研究会議会報12(1):2-18, 2000
8) 日本性科学会 セクシュアリティ研究会(編著):カラダと気持ち―ミドル・シニア版.三五館,2002
9) 荒木乳根子,大川玲子,金子和子・他:中高年単身者のセクシュアリティ.日本性科学会雑誌23(suppl),2005
10) 日本性科学会セクシュアリティ研究会(編著):カラダと気持ち―シングル版.三五館,2007
11) 丸茂健,杉田稔,石井延久:日本における性生活の現状とED治療の検討:Asian Men's Attitudes to Life Events and Sexuality(MALES)Study Japan.日本性機能学会雑誌22(3):277-285,2007
12) Avis NE:Sexual function and Aging in men and women;Community and population-based studies. The Journal of Gender-Specific Medicine 3(2):37-41, 2000
13) Basson R:Female sexual response;the role of drugs in the management of sexual dysfunction. Obstetrics & Gynecology 98:350-353, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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